【AV出演強要問題】作品削除ルールなどについて思うこと

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今週水曜日に、AV業界全体に大きな影響を与えるだろう発表があった。
ヒューマンライツ・ナウのAV出演強要問題の告発から一年半。さまざまな紆余曲折があったが、一応土台となるルールができたことは歓迎すべきところである。

ただ、今回のニュースを受けて、二点ほど気になることがあった。その点を「外野」の私があげてみようと思う。

 

■販売配信期限の設定と再編集モノの販売の制約について

まず、今回の記事は以下の毎日新聞のニュースを引用することを宣言する。

 

第一の気になる点は、映像販売/配信の期限設定と再編集モノの販売制限だ。

一度撮影すれば永久に作品が残り、何度も再編集されてオムニバス版が販売され、引退後もインターネットで配信され続ける現状を変えようと、作品使用期間を5年に設定。今後は、5年が過ぎて女優がメーカーと再び契約をしなければ、作品は配信されなくなる。

ほかにも、発売した作品を再編集した別の作品を売る場合には、2次使用料を女優に支払う▽プロダクションは出演料を開示する▽相談窓口の設置--などをルール化した。法的な強制力はないが、従わなければ、同委員会の定める「適正AV」からは外れ、業界団体であるNPO法人知的財産振興協会(IPPA)から脱退させられるなどのペナルティーがある。

まず適正AVとはなんぞや、という事になるのだが、「AV業界改革推進有識者委員会」のルールに則り制作されたAVをそう呼ぶ事になったそうだ。

このニュースで注目すべきは以下の二点だ。

  • 発売後5年たったコンテンツは販売と配信を終了する
  • 再編集モノの制作と販売に制約がついた

まず販売期限の話をする。特に配信まわりの話をしたい。

私は出演強要問題が表面化して以来、販売年数に期限を設けるべきではないかと主張してきた。今回の決定は、その自説が認められたということで、個人的には歓迎したいと思っている。

しかし、委員会が発表したルールには大きな問題があると感じた。

最近のアダルトビデオを扱う配信サイトは、ストリーミングオンリーのサービスも多い。
5年で配信が停止となると、視聴期限無期限で購入した作品も、5年たった時点で見られなくなる「可能性」がある。この問題について、委員会はどのような判断をくだしたのだろうか。販売期限が切れた後も、EST(Electronic sell-through。無期限視聴のこと)で購入されたものは引き続き視聴できるのか。配信も視聴も終了するのか。

これは、ユーザーにとっては大事な問題ではないだろうか。

なお、配信での販売比率はESTの方が大きい。多くの人が、購入したら無制限に見ることができるESTを選んでいる。
DMMのようにダウンロードが可能なサービスなら、いちどHDDに入れてしまえば半永久的にコンテンツを楽しむことができる。しかし上記のようにストリーミング形式のみで場合しているサービスも少なくない。
もし販売終了と同時に購入された作品も見れなくなるとしたら。ストリーミング形式のサービスでESTを購入するメリットは皆無となるだろう。
つまり、DMMで購入するのがますます安パイになるという図式ができあがるのだ。これはストリーミングオンリーのサービスには手痛い事になるかもしれない。

また購入時にデメリットが生じることや、旧来の作品が見れないことによって、XVIDEOSのような違法共有サイトをますます利する結果になりはしないか、という心配もある。

 

次に再編集モノについて。

再編集モノはメーカー側からすれば、一つのマスターから何度でも作品を生み出せるということでリクープの強い味方となっている。
また配信での話になるが、再編集モノは売れる。尺の長さとカタログ的な便利さ。そしてオカズとしての実用性が高いためだ。またテーマ別に纏められることが多いので、嗜好にマッチした作品を得ることができるというメリットも大きい。

その生産が封じられることは、メーカーはもとより配信側にも大きな影響を与えることになるだろう。

また、再編集モノの再販には、期限切れの前後に女優に意思確認が必要となるそうだ。5年も経過していればAV女優を引退している可能性が高く、結婚などで一般家庭に入っている可能性も高い。
そのような生活を送る中で、再契約のための書類が送られてくるというのは、いくらなんでもデリカシーがないという話にはならないだろうか?

これらの事を考えると、今回の諸々の決定は、出演者の人権保護を最優先にしてしまい、制作者やユーザーを置いてけぼりにしているように思えてしまうのだ。また、地に足がついた策であるとも言いがたいような気がする。
細かいルーリングについては今後の調整次第になるのだろうが、AVは商品であり、ユーザーが買うことによって成立しているものである。出演者の保護も大切だが、購入者の事情も汲んだ決定になっていればと願うばかりだ。

 

■窓口をAVANに一本化してしまうデメリットはないのか?

今回の決定で、出演の意思確認はAVANに一本化されるようだ。

しかし本当に窓口をAVANに一本化していいのだろうか。

AVANは言わずと知れた元AV女優、川奈まり子が代表となって設立された機関である。AV出演強要問題を受けて、女優の労働環境改善に取り組むために設立されたものである。しかし、業界をよく知る元AV女優が代表を務めているから、という理由で無邪気に存在を全肯定してしまっているのではないか、と私は思うのだ。

もちろん川奈まり子とAVANの行動論理が適切なものであり、彼らなりに尽力しているのは良く分かる。その点において批判をする気はさらさらないのだが、AVANの唱える倫理に全てをあてこんでよいのか、という疑問が残るのも事実だ。

また、委員会が発表したAV制作のシーケンスでは、いわゆる「素人モノ」の存在をどうするのか。
すでに既知の事であるが、素人モノには素人ではない、プロの女優、特に企画女優が出演する事も多い。だが一方で、本当の素人が出演する作品もある。
このような作品の場合も、AVANを通した意思確認が必要となるのだろうか。

また、AV女優の誰もがアーティスト、表現者を目指しているわけではない。一時の快楽に身を任せて出演する人も少なくないはずだ。

このような作品に対応するであろう対策について、この記事に答えが書いてある。

志田代表委員は「法律家が考えたルールを現場に浸透させるにはどうしたらいいかを考えてきた。手放しで浸透するわけではない。さらなる尽力が必要。一層の見守りをしていきたい」と話す。また、委員の一人で犯罪学が専門の河合幹雄・桐蔭横浜大教授は、「契約を細かく丁寧にやっていくと、『面倒だから簡単なほうがいい』と違法な作品に出演者が流れてしまう懸念もある。しかし、適正AVなら5年で作品が消えるということがより広く伝われば、『それなら適正AVのほうがいい』と考えてもらえるのでは」と話す。

言いたいことは分かるのだが、希望的観測に任せすぎているのではないかと思えなくもないし、AVANの事務能力やスタンスを過信しているかのようにも思える。

第三者による意思確認についても、年間数千人がデビューすると言われているAV女優全員の意思をAVANが一人一人確認することは不可能だ。川奈さんは、「AVの撮影で行われることが一目で分かるような表を作って、読んで理解したら送り返してもらうなど、方法を考えているところ。人員が少ないが、やれることをやっていきたい」と話す。具体的な方法は、来年1月までに決める予定だ

と、動き出す前に、川奈まり子自身が事務能力不足を認めてしまっているのだ。
となれば、AVANに一本化するのは危険ではないかという見方も出てくるし、AVANだけに頼らない方法も模索しなければならないと思うのだが、どうだろうか。もしAVANに任せるのなら、それなりの支援を行う必要があるのではないだろうか。

そして太字にあるように「適正AVの方が良い」と性善説的に全ての出演者が受け入れるのだろうか?

個人的にAVANを今ひとつ支持できない理由は、AV女優というロールに対する価値観、視野が狭窄しているように思える点だ。その理由は上記の通り。繰り返すが、AV出演者の誰もがアーティストや表現者になりたいというわけではないだろうということだ。
セクシー女優という言葉が生まれ、AV以外にもフィールドをひろげた女優たちが、あたかもアイドルのようにふるまっているのを目にするようになった。
このこと自体は女優たちのアクティビティの拡大と将来性を含めて素晴らしいことだと思う。
だが我々は、そんな彼女たちを無邪気に賞賛し、AV女優の誰もがそうなるべきだと無意識のうちに思ってしまっているのではないだろうか。

マグマイザー発売イベントの時、森林原人はこう語った。

「僕たちは気持ちイイことをしにきているわけで、演技がしたいわけじゃない」

同様の事を考えているAV女優も少なくないのではないだろうか。このあたりをどう消化するのか、委員会とAVANの活動には今後も注目する必要があるだろう。

 

以上は、業界を離れた私の考えである。内部の事は内々で決めるべきだ。そして、それで良いと思えるならルールを徹底的に遵守すべきである。
あくまで「外野」の人間(すなわち私)が口ばかりと言われそうな気もするが、率直な感想だということで笑って流してもらえれば幸いである。

(団長)

団長

団長

本サイト管理人。 元大手の動画配信サイト管理人。その頃に培った情報網で、エッチな情報を垂れ流しまくるダメ人間。

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